改めて自己紹介とグログランの軌跡を
2022年 04月 10日

はじめまして。
グログランのオーナーであり、デザイナーであり、運営者のMinaと申します。
学生時代には全く異なる分野のことを学んでいましたが、その後出版社勤務を経て、服飾デザイン・製作の仕事に携わり早15年以上が経ちます。
前職で映画や広告・舞台の衣装デザインの事務所に7年勤め、ものづくりのノウハウをゼロから学びました。
その事務所では師匠であるデザイナーの伊藤佐智子さん(昨年のパラリンピックの衣装デザインを手がけられ、映画舞台広告の衣装デザインの第一線で仕事を長く続けられている方です)のデザインを形にすることに邁進してきたので、何か自分の手でデザインするものが作りたい、世界観をぎゅっと表現できるものはなんだろう?と模索し、当初は子供服や、鞄をせっせと自分の手で作ってきました。それから鞄と帽子の組み合わせなら世界観ができるかも?と考え、自分で布の帽子や鞄を縫いながら、かねてから魅力を感じていた天然の麦わら帽子を製作する、現在グログランの帽子のほとんどを製作していただいている、工房にたどり着きました。
帽子のことをほとんど知らない私が無謀なことに手描きのデザイン画を持ち込み、ひとつずつサンプルを作っていきました。サンプルを家を訪ねてくる友人に見せたり、ローカルのクラフトマーケットに出したり、Etsyで販売開始するうちに、パリ在住の友人が私の製作を強く励ましてくれて、彼女の人気ブログで紹介してくれたことで販売のきっかけを得て、徐々にグログランをスタートしていきました。
その後、妊娠出産を経て前職を退職することになり、とにかくこの仕事をやろう、と本業にすることになったのが今から約十年前のことです。
そこから第一子の子育てと一緒に夢中で走ってきたこの十年間。最初の三年は売っても売っても締めてみると利益が出ておらず、どうしてだろう?なんで赤字なんだろう?と頭を抱えていました。販売価格が安すぎたことや、販売に費用をかけすぎていたこと、卸価格を設定していなかったことなどあまりに無知で修正すべきことが多々あり、徐々に軌道修正しながら続けてきました。
第二の転機は4年前にオーストラリアに移住したことです。移住が決まってすぐ、麦わら工房の社長に会いに行きそのことを話すと、「ここでやめたらもったいないよね」と言ってくださって、今まで自分の手でしていた帽子の飾り付けと発送作業を担ってくださることになりました。
それから自分が全ての商品を確認して梱包し発送する、ということは手放すことになり、そのために当初は様々な問題が起きたのですが、
都度相談し、調整して商品をお客様に届けてきました。
移転して二年間、ようやくオーストラリアへの販売の目処がたった、と喜んでいたところでコロナが起こり、帽子を気軽にかぶって旅行や外出をするという日常ががらりとかわりました。お取引先の店舗がいくつも締まり、また海外への流通も多大な影響を受け、配送が要であるオンライン販売のため足元がぐらぐらと、今もしている状況です。
少し先を想像することは容易でない今ですが、まだまだ作りたい帽子があるし、
出会って欲しい方々も日本に、世界にまだまだ沢山いると信じています。
天然の麦わら帽子にうっとりすることはスタートした当時から、全く変わりなく、
箱をあけると真新しいサンプルが芳しい麦の香りをたっぷりさせて現れることに
一番ときめいているのは自分であることも、変わりません。
そのときめきを少しでも伝えていけるように、今後も進んでいきたいと思います。
Mina
by grosgrain
| 2022-04-10 22:31
| 自己紹介